先日、ミロ展を観に行って来ました。
ジョアン・ミロは、ピカソと並ぶ、スペインを代表する芸術家です。
今年は没後40年ということで、初期から晩年までの絵画、陶芸、彫刻など、世界中から選りすぐった傑作による回顧展が東京都美術館で開催されています。
日本で初めて公開されたミロの作品「焼けた森のなかの人物たちによる構成」や、バルセロナ以外では40年ぶりの公開になる「太陽の前の人物」など、貴重な作品も展示されていて、見どころが満載です。
そして有名な「星座」シリーズからも3点が出品されていました。
そのうちの1つ「カタツムリの燐光の跡に導かれた夜の人物たち」の前に立ち、オーディオガイドを聴くと、解説が始まる前に、まずバッハの音楽が流れてきました。曲はカンタータ140番「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」 です。
別トラックに音楽のみも収録されていて、その静かな音楽に浸り、作品を見ていると、ふいに涙が溢れそうになりました。
そして 思いました。「ああ、これはミロの祈りなのだ」
この作品は、第二次世界大戦の戦禍を逃れ、パリを離れて避難生活を送っている時に描かれました。この頃ミロは、大好きなバッハの曲をよく聞いていたそうです。 解説には「悲惨な現実から逃れるために制作に没頭した」とありましたが、私には、ミロが、描くことで祈っていたのだと思えたのです。いえ、ミロにとっては「描く」ということが祈りだったのかも知れません。
平和への思い、故郷スペインへの思い、そうしたものが 伝わってくる、そんな風に感じました。
ミロ展は7月6日(日)まで。ぜひ足を運んでみて下さい。
アイキャッチ画像は 「カタツムリの燐光の跡に導かれた夜の人物たち」です。