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2023年5月8日  マティス展

久しぶりのコロナによる制限のないGW。皆さんは行楽を楽しまれたでしょうか。

私も、遠出は出来ませんでしたが、都内で美術展を楽しみました。都美術館で開催されている「マティス展」です。
世界有数のマティスコレクションを有するパリのポンピドゥーセンターから、マティスの作品が大挙来日。これほどの規模のマティス展は日本では約20年ぶりのことだそう。

マティスは近代フランスを代表する画家です。
生まれは1869年。モネが、印象派の語源となった「印象・日の出」を出展したのが1874年のことですから、マティスは印象派の時代に育った、と言えると思います。でも彼の絵画は印象派のスタイルとはだいぶ違いますね。

マティスはフォービズム(野獣派)のリーダーと言われています。フォービズムは、色彩を感情表現の手段とした美術です。原色の配置、大胆な構図は、それまでの美術には無い荒々しさでした。
けれど、フォービズムの活動は短期間です。マティスはその後も、自身の表現を追求し続け、晩年、病で絵筆を握る体力が失われると、切り絵という新たな表現手段を得て、1954年に亡くなるまでに、たくさんの作品を残しました。
自身も趣味でバイオリンを弾いたというマティス。切り絵の「ジャズ」シリーズなど、音楽との関わりを感じさせる作品も多く、改めて音楽と美術の関連性を考えました。
今回は、彫刻作品も多数展示され、マティス作品の造形的な手法に触れることも出来ます 。
また、映像ではありますが、マティスが設計から、祭壇画、ステンドグラス、十字架像、石造りの祭壇、書見台、燭台など、すべてをデザインした南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂も紹介されています。本当に美しい礼拝堂で、一度は訪れてみたい、と思いました。

今回の展覧会では、様々な時代のマティスの作品に触れることが出来ます。
1人の画家の作品を集中的に観て学べるこうした展覧会も良いものですよ。
都美術館で8月20日まで開催されています。

アイキャッチ画像は、「夢」 本展での一番のお気に入り作品です。

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